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東京高等裁判所 平成5年(ネ)2982号 判決

控訴人(原告)

赤間秀男

ほか一名

被控訴人(被告)

端場義満

ほか一名

主文

一  原判決を次のとおり変更する。

二  被控訴人端場義松は、控訴人赤間秀男に対し金一七一七万九八〇一円、控訴人赤間悦子に対し金一八四七万九八〇一円及び控訴人赤間秀男の内金一五六七万九八〇一円、控訴人赤間悦子の内金一六八七万九八〇一円に対する平成四年八月三日から支払済みまで年五分の割合による各金員を支払え。

三  被控訴人共栄火災海上保険相互会社は、第一、二項の判決が確定した時は、控訴人赤間秀男に対し金一七一七万九八〇一円、控訴人赤間悦子に対し金一八四七万九八〇一円及びこれに対する判決が確定した日の翌日から支払済みまで年五分の割合による各金員を支払え。

四  控訴人らのその余の各請求を棄却する。

五  控訴費用は、第一、二審を通じて三分し、その二を被控訴人らのその余を控訴人らの各負担とする。

六  この判決は第二項に限り仮に執行することができる。

事実及び理由

第一当事者の求めた裁判

一  控訴人ら

1  原判決中、控訴人らの敗訴部分を取り消す。

2  被控訴人らは、各自、控訴人赤間秀男に対し金二〇〇三万七四九九円、控訴人赤間悦子に対し金二一三三万七四九九円及び控訴人赤間秀男の内金一八二三万七四九九円、控訴人赤間悦子の内金一九四三万七四九九円に対する平成四年八月三日から支払済みまで年五分の割合による各金員を支払え。

(右各金額はいずれも原判決の認容額を含むものである。なお控訴人らは、それぞれ右のとおり請求の減縮をした。)

3  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。

4  仮執行の宣言

二  被控訴人ら

本件各控訴を棄却する。

第二事案の概要

本件事案の概要は、原判決の理由中の「第二 事案の概要」(原判決二枚目裏末行から同四枚目裏九行目まで)に記載のとおり(ただし、原判決四枚目表一行目の「被告共栄火災」を「被控訴人共栄火災海上保険相互会社(以下「被控訴人会社」(一審では「被告会社」)という。)」と改める。)であり、証拠の関係は、原審記録中の証拠に関する目録記載のとおりであるから、これらをここに引用する。

第三争点に対する判断

当裁判所は、控訴人らの本訴各請求(当審において減縮された後のもの)は、主文第二、三項の限度で正当としてこれを認容し、その余は失当としてこれを棄却すべきものと判断するが、その理由は、次のとおり訂正、付加するほかは、原判決の理由中の「第三 争点に対する判断」に記載のとおりであるからこれをここに引用する。

一  原判決四枚目裏末行の「三六〇一万九四四七円」を「四三三五万九六〇二円」と、同五枚目表六行目の冒頭から同一一行目の末尾までを「被控訴人らは、右のような英敏及び控訴人らの居住場所、英敏の勤務先等を考慮して、平成三年賃金センサス第四巻第一表都道府県別の北海道の企業規模一〇ないし九九人の男子労働者の平均賃金三九六万五〇〇〇円を基礎として英敏の逸失利益を算定すべきであると主張するが、原審における控訴人赤間悦子本人尋問の結果及びこれによつて真正に成立したものと認められる甲第四号証によれば、英敏は、高校を二年で中退し就職していたものの、中学時代から東京へ移住したいとの願望を持ち、将来、東京で専門学校に入つて特定の技能を身につけたいとの目標を立てていたこと、同居中の母親である控訴人赤間悦子も英敏が右目標を達成することを期待していたことが認められ、これに前記事実を併せると、英敏の稼働可能な期間全体を長期的にみて、英敏には、平成三年賃金センサス第一巻第一表の全国男子労働者の産業計、企業規模計、中学卒の全年齢平均賃金程度の収入を得られる蓋然性があつたものと認めるのが相当である。」と、同五枚目裏二行目の「第四巻」から同四行目の「円」までを「第一巻第一表の産業計、企業規模計、中学卒の全国男子労働者の全年齢平均賃金四七七万三〇〇〇円」とそれぞれ改め、同七行目の「算出すると」から同一一行目の末尾までを次のとおり改める。

「算出すると四三三五万九六〇二円(円未満切捨て。以下同じ。)となる。

(計算式)

四七七万三〇〇〇円×(一-〇・五)×一八・一六八七=四三三五万九六〇二円」

二  同六枚目表一行目の「英敏二〇〇〇万円・原告赤間秀男、同赤間悦子各三〇〇万円」を「英敏一六〇〇万円・控訴人赤間秀男、同赤間悦子各一〇〇万円」と改める。

三  同七枚目表一行目の「原告赤間秀男」から同二行目の末尾までを「控訴人赤間秀男の損害は三〇六七万九八〇一円、同赤間悦子の損害は三一八七万九八〇一円となる。」と、同四行目の「原告赤間秀男」から同五行目の末尾までを「控訴人赤間秀男の損害残額は一五六七万九八〇一円、同赤間悦子の損害残額は一六八七万九八〇一円となる。」とそれぞれ改める。

四  同七枚目表六行目の「原告赤間秀男、同赤間悦子各二三〇万円」を「控訴人赤間秀男一八〇万円、同赤間悦子一九〇万円」と、同七行目の「原告赤間秀男」から同八行目の「認める」までを「控訴人赤間秀男につき一五〇万円、同赤間悦子につき一六〇万円と認める」とそれぞれ改め、同八行目の次に行を改めて「そうすると、本件事故により控訴人らが被つた損害残額は、控訴人赤間秀男につき一七一七万九八〇一円、同赤間悦子につき一八四七万九八〇一円となる。」を加える。

第五結論

よつて、右と結論を異にする原判決を変更することとし、訴訟費用の負担について民事訴訟法九六条、八九条、九二条、九三条を、仮執行の宣言について同法一九六条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 丹宗朝子 新村正人 市川頼明)

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